エアインディアAI306便(デリー→成田)

帰国の途に着く飛行機に乗ると、旅行が終わってしまう寂しさの反面、外国での滞在が無事に終わったなという安堵感も同時に感じる。特に今回のインド旅行では、インドの食べ物にやられ、インド人の強烈さにやられてきたせいか、その安堵感もひとしおだ。
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日本で仕事しているのだろうかと思われるインド人達とインド旅行帰りの日本人旅行者とでほぼ満席のエアインディア306便の通路をすすんでいくと、ぼくらの座席は、機体の右側で翼のすぐ後ろ、そして、前の列にはインド人がずらり、後ろの列にもインド人がずらり。
前の列のインド人達もうるさかったが、後ろの列にいたインド人の一人がとてもうるさい。近くの日本人旅行者に日本語で話しかけている、「御徒町のインド料理レストランで働いているから来てよ」etc.
それだけならいいのだが、しばらくして、携帯電話で話し始めた。

魚釣りの秘訣は、魚がエサに食いついた瞬間に「そらきた!」とばかりに慌てて引き上げないことだと言う。慌てて引き上げると魚は逃げ出してしまう。釣り針がきっちり食い込んで逃れられない状態になってから引き上げなければならない。

言い逃れできない状態になるのを待っていると、機体のドアが完全に閉められ、滑走路に向かって機体がごろごろと動き始めた。そして、携帯電話を使わないようにとのアナウンスも放送された。時は来た。
英語がぼくの何倍も得意な奥さんが「機内で携帯電話で話すのは止めてください。」と口火を切る。

人は、攻めの場面で強いだけでは一流とは言えない。守りにも強くて初めて一流と言える。
口達者は、理屈の通る場面で強いだけでは口達者とは言えない。理屈の通らない場面でさえ強くて初めて口達者と言える。彼も、さすが口から生まれてきたインド人、やはり口達者さは一流であった。
「何がいけないんだよ。」などと取り敢えず言い始め、「頭おかしいんじゃないか。キチガイ。」などと今度は日本語で言い始めた。

周りの日本人達も、さすが日本人、見て見ぬふりである。
ここは、スチュワーデスやスチュワードを呼ぶことにした。そして、英語で事情を説明する。携帯電話使用禁止のアナウンスが流れた後でも、彼が携帯電話で話していたこと、携帯電話の使用を注意したら彼が「頭おかしいんじゃないか。キチガイ。」などと日本語で言ってきたこと。
口の上手さでは負けない彼も黙ってはいない。彼は、ぼくらには理解できないヒンディー語でスチュワーデスやスチュワードに自分の正しさを主張していた(のだろう)。

まあ、取り敢えず、やるだけのことはやった。この旅行でのインド人との闘いも、これで終わりにしよう。
ぼくらは、機体の左前方にある空席に移らせてもらった。
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数時間後、機体の左前方に、雲の上に突き出た円錐形の美しい山が見えてきた。
ちんまりとした、でも一つ一つに細やかな気配りをする国にようやく帰ってくることができたことを実感する。

エアインディアAI306便 2008年8月2日20時50分(インド時間)→8月3日8時(日本時間)
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by yokohama_nakame | 2008-09-26 05:36 | インド(India)  

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